F/S(フィージビリティスタディ)の初期段階に成功確率を上げろ



 風力発電事業は、太陽光発電などに比べると、実際に風車を建てて発電するまでに、より多くの時間やお金がかかります。それは、前回のコラムでも少し述べましたが、F/S(フィージビリティスタディ:実現可能性調査)や、その後に続く事前の調査に手間やお金がかかるためです。

 
そこで注意すべきことは、投資金額の少ないF/Sの初期段階に、事業の成功確率を十分に上げることです。例えば、F/Sの初期に、現行の予定場所とは違った場所・内容でF/Sをやり直すといった試行錯誤をして、投資金額の小さなF/Sの初期段階に十分な検討をします。

 
なぜならば、風力発電の収益性を決める風況は、風車を建てる地域、その地形、風車の高さなどによって大きく異なっているためです。そこで、複数あるF/Sの結果の中から、より成功確率の高い事業を優先して進めるのです。

 また、当たり前のことですが、費用をかけずにできる調査は、最低限実施しておくことも大切です。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)などが公開している風況マップなどのデータベース・資料などを参照するといったことです。無料で相談対応してくれる機関や専門家などにアドバイスを受けることも良いかもしれません。当社でも守秘義務を守りつつ、ご相談には無料で応じています。また、コンピュータを使った数値シミュレーションで風況を推定することも可能です。

 
投資金額が少ないF/Sの初期段階に小さな失敗や試行錯誤をすることで、無駄な投資は最小限に留めて、最終的には収益性の高い事業を進めることができるはずです。